学研CAIスクール 鳥取湖山校 の日記
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2012中学生教科書はこんなに変わる2
2011.10.25
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皆様いかがお過ごしでしょうか?
さて、前回からお話させていただいている「中学校の教科書改訂」。今回からは、各教科のポイントについてお伝えしていきます。
まず最初は国語です。
国語の主な改訂のポイントは
・近代文学作品の復活
・最近の現代作家の登場
・古典指導の強化
・常用漢字196字の追加
・言語活動の重視
です。教科書のページ数は平均で28%増えます。
新しい指導要領では、近代文学の扱いが厚くなります。近代文学といえば、保護者の皆様もおなじみの文豪の名作が思い浮かびます。
夏目漱石の「坊ちゃん」をはじめ、森鴎外の「高瀬舟」、芥川龍之介の「トロッコ」などが多くの教科書に掲載されるようになります。
「ゆとり」前は、教科書の「定番」となっていたこれらの作品も、影が薄くなっていたわけです。
また、近代文学作品だけでなく、浅田次郎、あさのあつこ、重松清など最近の現代作家の作品も登場します。生き方を見つめることがこれらの作品の共通テーマで、中学生と同世代の子どもたちが主人公となっています。
古典については、読解素材に変化や増加はありませんが、有名古典の冒頭文を採用することで,古典に親しむことを促している教科書もあります。従来の鑑賞や内容理解だけでなく、当時の人々のものの見方や考え方の考察を求めているのが特徴です。
そして、目立った変化としては、常用漢字196字の追加が挙げられます。巻末で一覧的に扱ったり、本文で扱うものなど、教科書によって対応は異なっていても、中学では読み方に習熟することが求められています。入試での出題も容認されているため、今後は「鬱」などの新常用漢字の読みが、高校入試で出題される可能性もあります。
その他、日常の言語活動を重視する視点から、「新聞の読み方」「話し合いの進め方」「インタビューのし方」などを扱っていることも特筆されます。
2009年のPISAでは、日本の子どもの読解力は前回の15位から8位に上昇しました。この改訂を機に、さらなる活用的な国語力の向上を期待したいものです。